二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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恵明寺

【札所番号】
いろは大師:第四十七番(温泉郡坂本村八坂寺の写)

四箇領:第十一番
荒川辺:第五十六番
荒綾:第七十六番

【札所名】恵明寺(真言宗智山派

【所在地】

旧地名 葛飾区亀有町
現在の地名 葛飾区亀有3-32-25

【御詠歌(いろは大師)】
はなをみて うたよむひとは やさかでら さんぶつぜうの ゑんとこそきけ

【いろは大師、次への順路】
七十三番・五十二番の宝蓮寺へ八丁

 恵明寺は南葛いろは大師の四十七番であり、荒川辺の五十六番、四箇領の十一番でもあります。境内の大師堂はいろは大師のものです。

 わたしはお参りの際に、お堂の扉が開けられそうなら丁寧に開けておさい銭をあげて写真をとらせてもらっているのですが、施錠されていたり、開けたら壊れそう、固くて開けにくい、などの時はもちろん無理に開けたりせず、隙間から撮影させてもらっています。こちらも扉を開けずに写しました。

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南葛いろは大師第四十七番大師像
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第四十七番の台座
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恵明寺の大師堂2020年10月撮影

 お堂の前、向かって左側に白っぽい石の杭があって正面に「弘法大師 恵明寺」と刻まれています。脇面にも何か刻まれているかもしれないのですが読めませんでした。この材質の石の道案内は「四箇領」のものかもしれないです。

 また、以前は下の写真のような、八十八ヶ所と刻まれた背の低い石の杭もあったんですが、2020年10年にお参りした際にはみつかりませんでした。

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背の低い石杭(2017年撮影)

 この小さな石杭には、八十八ヶ所の文字の上に荒■(欠けて読めない)と刻まれているので、「荒川辺」あるいは「荒綾」の道案内なのかなと思います。四箇領、荒川辺、荒綾は、南葛いろは大師とはまったく別の霊場めぐりです。

 2017年のお堂の写真もありました(この当時、南葛八十八ヶ所にはほとんど注目していなかったのですが、なぜか写真はしっかり写してました)。向かって右側の草むらに見える背の低い杭がそうだったかなあと思うのですが、今は片づけられてしまって確認できないので、違ってたらごめんなさい。

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恵明寺の大師堂2017年撮影

 八十八ヶ所霊場巡りといっても、必ず大師堂や大師像を造立するとは限らないのですよね。真言宗のお寺ならばあえて大師像を作らなくてもお寺そのものが札所と成りえます。

弘法大師 空海 密教