二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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宅地添え(立石四丁目)

【札所番号】
いろは大師:第三十五番(高岡郡高岡町・清瀧寺の写)

【札所名】宅地添え(現在は墓地の隣)

【所在地】

旧地名 葛飾区梅田
現在の地名 葛飾区立石4-29-10

【御詠歌(いろは大師)】
すむみづを くむはこゝろの きよたきじ なみのはなちる いはのはごろも

【いろは大師、次への順路】
四十番西円寺へ四丁半

 南葛いろは大師は大正14年の開創ですから、当時は今のようにまわりに家などなかったんだと思います。古い地図を見るとこの札所のあたりは農地のマークになっています。

 現在は近くに積善寺という日蓮宗のお寺があって、墓地があり、大師堂は墓地の囲いに隣接した場所にあります。

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積善寺と墓地。写っているお堂は地蔵堂で、大師堂は道を左に曲がったところ。

 このお寺は大正12年に創建されたとネット情報にあるのですが、古い地図を見ると、地図上に卍のマークが出てくるのが1970年代に入ってからですね。それ以前も積善寺がここにあったのかどうかはちょっとわかりませんが、宗派も違うので札所名としてお寺の名前は付かず「宅地のとなり」みたいな言い方になってるんだと思います。

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南葛いろは大師三十五番の大師堂
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南葛いろは大師第三十五番大師像

 お堂は墓地と住宅の隙間にあって、堅固な鉄の扉がついていますが、施錠はされていないので開けてお参りすることはできます。

 堂内に三十五番の台座に座った石の大師像があり、大心講の旗も飾られています。像の後ろにおそらく御詠歌が書いてあっただろう扁額もあるんですが文字は奇麗に消えていました。

 いろは大師の札所におさめられている扁額は、あちこちに残ってはいるんですが、文字を彫ったあとがありません。筆と墨だけで書いただろう文字は消えてしまっています。

 場所がわかりづらいと思うので簡単な地図です。スマホの地図では積善寺を目的地にするといいです。

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まわりの地図
弘法大師 空海 密教