二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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正王寺

【札所番号】
いろは大師:第五十九番(温泉郡桜井村大字国分・国分寺の写)
#( )内は『御詠歌集』に従っています。桜井村は越智郡だそうです。

荒綾:第十五番
荒川辺:第五十九番

【札所名】正王寺(真言宗豊山派

【所在地】

旧地名 葛飾区下千葉
現在の地名 葛飾区堀切5-29-14

【御詠歌(いろは大師59)】
しゆごのため たてゝあがむる こくぶんじ いよいよめぐむ やくしなりけり

【いろは大師、次への順路】
五十五番普賢寺へ十二丁半
 

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正王寺の大師堂
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お堂の軒下に掲げられた御詠歌の扁額(五十九番)
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南葛いろは大師第五十九番大師像

 普賢寺は南葛いろは大師の五十九番で、荒綾の十五番、荒川辺の五十九番でもあります。大師堂の軒下に五十九番の御詠歌が刻まれた扁額がありますが、いろは大師も荒川辺も五十九番なので、納めた方がいずれの霊場のために納めたものかはわかりません。

 堂内にある大師像は第五十九番の台座に座っていますが、これは南葛いろは大師のものであるはずです。荒川辺も番号は同じですが、荒川辺には大師像はないと思います。江戸時代の霊場めぐりにも大師像がある場合もあるみたいなんですが、必須ではなくて、真言宗のお寺をめぐるだけという場合が多いです(四箇領なんかもそうですね)。

 もし番号のついた台座をひとまわり見られれば、どこかに造立年が刻まれていることが多いです。脇にある場合と、背面にある場合があるようです。脇だと、場合によっては手をのばしてスマホで撮影すると読めることもあるんですが、お堂の中に手をつっこんで撮影している自分を客観視するとほぼ不審者にしか見えないので躊躇してしまいます。背面だとまず無理ですね。

 でもこうして情報を残しておくと、将来関係者の方が台座をどうするか迷った時に捨てずに残してくださるかなあと思い、時々書いておくことにします。

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ぬれわらじ寺・弘法大師御影

 堂内に「ぬれわらじ寺・弘法大師御影」と書かれた木のレリーフが納められていました。これは立石正覚寺のお堂にも同じのがありますね。ぬれわらじ寺は和歌山県龍光院でしょうか?

弘法大師 空海 密教