二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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理性院(『御詠歌集』では理性寺)

【札所番号】
いろは大師:第八十番(讃岐国綾歌郡端岡村・国分寺の写)

荒綾:第五十二番
荒川辺:第六十一番

【札所名】理性院(真言宗豊山派
# 『御詠歌集』には理性寺とありますが単なる書き間違いか通称と思われます。

【所在地】

旧地名 葛飾区柳原町
現在の地名 足立区柳原2-5-1

# 南葛八十八ヶ所いろは大師は南葛飾郡の五十一ヶ村にわたり札所が作られています。足立区は郡が違いますが、柳原は荒川放水路が完成するまでは南葛飾郡綾瀬村柳原→葛飾区柳原町でした。放水路(現在の荒川)で地理的に葛飾区から分断されたので昭和9年に足立区に編入されたということです。

【御詠歌(いろは大師80)】
くにをわけ のやまをしのぎ てらでらに まいれるひとを たすけましませ

【いろは大師、次への順路】
七十七番正覚寺へ二十五丁
 

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理性院の大師堂
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南葛いろは大師第八十番大師像

 理性院はいろは大師の八十番で、荒綾の五十二番、荒川辺の六十一番でもあります。堂内の大師像は第八十番の台座に座っており、いろは大師のものです。

 南葛八十八ヶ所いろは大師は旧南葛飾郡内に作られた霊場めぐりなのですが、現在の足立区は南葛飾郡ではありません。

 足立区柳原は1932年(昭和7年)10月から 1934年(昭和9年)5月までは葛飾区で、それ以前は南葛飾郡綾瀬村の一部でした。大正から昭和の初期にかけて荒川放水路(現在の荒川)が開削されて、地理的な事情で足立区に編入された地域です。

弘法大師 空海 密教