二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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六阿弥陀常光寺(元六十六番)

 亀戸の常光寺は南葛「いろは大師」の第六十六番札所でしたが、大師像は現在ここちらにはなく、次の札所である龍光寺にあります。常光寺は江戸六阿弥陀のひとつでもあります。



【札所番号】
いろは大師:第六十六番(三好郡大字白地・雲辺寺の写)
#( )内は『御詠歌集』に従っています。白地は三好郡佐馬地村大字白地でしょうか。

江戸六阿弥陀:第六番

【札所名】常光寺(曹洞宗

【所在地】

旧地名 城東区亀戸町
現在の地名 江東区亀戸4-46 常光寺

【御詠歌(いろは大師66)】
はるばると くものほとりの てらにきて つきひをいまは ふもとにぞみる

【いろは大師、次の札所】
四十六番龍光寺へ五丁



 
 ここは "元"六十六番 です。大心講の『御詠歌集』には六十六番は亀戸四丁目・六阿弥陀常光寺とあります。
 ただ、現在ここには大師堂も大師像もなく、現在は四十六番と一緒に次の札所である龍光寺に安置されています。
 
 
 
 お寺の宗派が曹洞宗ということもあり大師像はないのですが、境内にほかであまり見かけない庚申供養塔(というか青面金剛像)があります。

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常光寺の青面金剛像(庚申供養塔)
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青面金剛像上半身
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青面金剛像、台座の一部

 庚申供養塔は、長方形や将棋の駒形の石版に青面金剛や三猿をレリーフにしたものが多いです。こちらのは板ではなく、青面金剛を丸彫りにしてあります。

 最初なんの像かわからなかったのですが、台座に「庚申」と刻まれている事や、腕が三対(六臂)あって、輪、羂索、弓・矢などの持物、大きな口に上を向いた牙などを見ると、やはり青面金剛なんだなと思います。

 台座にある造立年は、天和三癸亥歳五月でしょうか。かすれているので間違っていると申し訳ないですが、もしあっているなら1683年ですから、かなり古いものです。像の体にも「南横川」「刕木(村?)」など地名らしき文字が刻まれているのですが、このへんの旧地名をあまり知らないのでよくわかりませんでした。
 

弘法大師 空海 密教