二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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専念寺

 細田・専念寺は南葛「いろは大師」の十五番で、同「南回り」の六十一番です。現存する大師像はいろは大師のものです。南回り関連のものは何も残っていないようです。



【札所番号】
いろは大師:第十五番(名東郡国分村大字矢野・国分寺の写)
#( )内は『御詠歌集』に従っています。寺は国分寺で村の名前は国府村のようです。

南回り:第六十一番

【札所名】専念寺(浄土宗)

【所在地】

旧地名 葛飾奥戸新町
現在の地名 葛飾奥戸8-10-19

【御詠歌(いろは大師15)】本尊薬師如来
うすくこく わけわけいろを そめぬれば るてんしやうじの あきのもみじば

【いろは大師、次の札所】
四番観音堂へ七丁八間

【南回り、次の札所】
第六十二番、奥戸・妙厳寺



 

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専念寺の大師堂
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南葛いろは大師第十五番大師像

 専念寺は浄土宗のお寺です。弘法大師真言宗の日本における開祖ですが、南葛八十八ヶ所の札所は、いろは大師も、南回りも、すべてが真言宗というわけではありません。実は四国八十八ヶ所も、すべてのお寺が真言宗ではないそうです。

 こちらはいろは大師の十五番であり、南回りの六十一番です。堂内の大師像はいろは大師のものです。写真では光りの関係で台座が白く写ってますが、たしか番号が刻まれていたように思います。チャンスがあったらもう一度お参りして撮り直そうと思います。

 南回りは大師像の造立を行わないスタイルだったようなので、何も残っていないのが基本です。運がいいと札所番号や御詠歌を刻んだ扁額が残っている場合があります。

写真を撮り直してきました

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いろは大師第十五番大師像。台座にしっかり第十五番と刻まれている。
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台座の向かって右脇

 角度が難しくてうまく写らないのですが「大正十●年六月十日」と刻まれており、世話人か奉納者の方のお名前がちらっと見えます。

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台座の向かって左脇

 こちらもこれ以上手を入れられないのでうまく写らないのですが、当寺の世話人の方々のお名前が刻まれています。

弘法大師 空海 密教