二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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元熊野社

 南葛「いろは大師」の九番札所は奥戸八丁目の路辺にあります。今では大師堂があるだけなのですが、大心講の『御詠歌集』には元熊野の社とあるので、かつては熊野神社の境内だったのではないかと思われます。



【札所番号】
いろは大師:第九番(阿波郡土成村大字土成・法輪寺の写)

【札所名】元熊野社

【所在地】

旧地名 葛飾奥戸新町
現在の地名 葛飾奥戸8-3-13

【御詠歌(いろは大師9)】本尊釈迦如来
だいじやうの ひほうもとがも ひるがへし てんほうりんの ゑんとこそきけ

【いろは大師、次の札所】
十五番専念寺へ二丁



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元熊野社大師堂
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堂内。御詠歌の扁額がお供え台みたいにされている(笑)

 元熊野社は路辺にあります。札所の名前からして元は熊野神社があったのかもしれませんが、現在はただ大師堂だけが建っています。以前、バスの窓からお堂をみつけて「むむ、あれは大師堂っぽいぞ!」と妖怪アンテナならぬ札所アンテナがピピッと立ったので、わざわざ次の停留所で降りて確認に戻ったのを思い出します。

 堂内には第九番の台座に安置された大師像が一体あります。文字の消えた扁額(木の板)が赤いカゴの上にのせられてお供え物の台みたいにされていました。この板には「第何番 四国ナントカ寺写」と、御詠歌が書かれていたはずなんです。こういった扁額はいろんな霊場巡りで札所に奉納されています。

 南回りのものなどは、文字を彫刻してから色をのせるので消えないんですが、いろは大師の扁額はただ文字をなんらかのインク(墨かもしれないし、他の何かかもしれない)で書いたらしく、ことごとく文字が消えてしまっているのが残念です。

 ところで、こちらでもお大師様の写真を写したはずなんですが、どうしたことかみつかりません。間違えて消したのか、関係ないフォルダにいれてしまったのかもしれません。来年時間を作ってまた参拝したいと思います。イケメンに撮れるようにがんばりたいと思います。(後日写しに行ってきました)

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南葛八十八ヶ所いろは大師、第九番大師像

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大師堂なのに地蔵堂って書かれてるポケスト

 元熊野社の大師堂はポケストにもなっているんですが、名前が奥八地蔵堂になっています。しかしここにはお地蔵様はなかったですよ。それなのに地元では地蔵堂だと言われているのかなあ。ちょっと考えにくいですけど。

 ポケモンGOはあくまでゲームなので、いっそネタだとわかるくらいデタラメが書いてあるんならまだ納得がいくんですが、宗教施設を間違った名称で登録しちゃうのって、なんかビミョーだと思うのですけど^-^;;;

 地蔵でないものに地蔵とつけてあったり、タイプミスのまま登録されてたりするポケストがけっこうあるので、トレーナーレベルが40を超えた記念にいくつか修正案を出してみたことはあるんですが、だいたい無視されてしまいます。

 「地元の研究家です」とか言って運営に直接メール書くと直してくれる可能性もあるんですが(実際自宅の近所のものは一件お願いして直してもらったことがあります)、家から遠いところのものだと、地元でどう扱われているかわからないので、そこまでしていいものなのかと躊躇してしまいます。

弘法大師 空海 密教