二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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宝蔵院

 宝蔵院は南葛「いろは大師」の七番であり、南葛「南回り」の六十番です。「四箇領」の二十四番でもあります。



【札所番号】
いろは大師:第七番(板野郡御所村大字高尾・十楽寺の写)

南回り:第六十番

四箇領:第二十四番

【札所名】宝蔵院(真言宗豊山派

【所在地】

旧地名 葛飾奥戸新町
現在の地名 葛飾奥戸8-5-19

【御詠歌(いろは大師7)】本尊阿弥陀如来
にんげんの 八くをはやく はなれなば いたらんかたは くぼんぢうらく

【御詠歌(南回り60)】

【いろは大師、次の札所】
九番元熊野社へ一丁半

【南回り、次の札所】
六十一番、細田・専念寺



 

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宝蔵院の大師堂
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南葛いろは大師第七番大師像

 宝蔵院は南葛八十八ヶ所いろは大師の七番であり、同名の霊場めぐりである南回りの六十番であり、四箇領の二十四番でもあります。境内の大師堂には像が二体ありますが、中央に安置されているのがいろは大師のものです。閼伽棚が前にあって台座が写真には写っていませんが、上から見るとちゃんと「第七番」と刻まれていました。

 向かって左奥の像はどなたの像なのかちょっとわかりません。弘法大師の座像ならば、右手に五鈷杵(ごこしょ)という法具を持って、左手で数珠を握っている事が多いです。絶対じゃないかもしれないですけど。

 南回りの札所だった名残はありませんでしたが、四箇領は門前に標石がありました。

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四箇領の標石(二基)
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右側の標石の脇面

 右の背の高い方も正面は「新四国八十八ヶ所」としか書かれていないので、これだけだと何の標石なのかわからないんですが、脇面を見ると「西新井組二十四番土州東寺写/宝蔵院」の文字が見えます。西新井組というのは現在四箇領と呼ばれている霊場巡りのことです。四箇領は別名で西新井組中川通と呼ばれてるそうで、古い標石には「西新井組」と書かれてることがけっこうあるみたいですね(南葛関連で見て回るまでわたしも知らなかったんですけど)。

 白くて背が低いほうは、わたしは八十八石と呼んでます。八十八とだけ刻まれているものは、たぶん昔は順路上の路辺にあったものだと思います。都内だと道路を広げる時などに撤去されて、こうしてお寺の門前に置かれている事が多いですが、三郷市内にはまだ路辺にいくつも残っていたりします。特別に四箇領とは書かれていないのですが、だいたい四箇領の札所へ向かう道の途中にあります。八十八石については、わたしの別のブログの記事をどうぞ。
www.chinjuh.mydns.jp
 
 
 
 宝蔵院は境内が広くて、薬師堂のまわりなど田舎道みたいになっていて楽しかったです。

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やくしみち入り口
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林の中に摩羅様が生えてた…!
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薬師堂の前で「こっちだよ」と指さしてる小僧さんがかわいい。
弘法大師 空海 密教