東小岩・善養寺(小岩不動尊)
【札所番号】
南回り:第三十七番
【所在地】
現在の地名 | 江戸川区東小岩2-24-2 |
【御詠歌(南回り37)】
【南回り次の札所】
三十八番・北小岩宝林寺
東小岩の善養寺は、昔から小岩不動尊として親しまれています。南葛八十八ヶ所南回りの第三十七番札所ですが、南回り固有の扁額は見える場所にはなさそうです。
上の写真は本堂の軒下に掲げられている扁額です。くずし字で書かれていますが、下のように読みます。
これは南葛南回りとは関係ないものです。南回りならば三十七番なので善養寺は「土佐国岩本寺写」になります。
では、本堂に掲げられた八十八番大窪寺写は何かというと…実はこちらのお寺には境内に八十八ヶ所があったりするんですよね。
小道の両側に大師像が並んでいて、ここを参拝しながら歩くと、四国八十八ヶ所をまわったことになるそうです。詳しい説明がなかったので「たぶん」ですけど、ここを通り抜けたあとに、改めて本堂で手を合わせれば、八十八ヶ所まわりきったことになるんじゃないなと思います。
このブログで注目している南葛八十八ヶ所いろは大師と、同名の南回りは、四国霊場の写しを郷土全体にちりばめて、徒歩ならば最低でも四日もかかるような大掛かりな霊場めぐりです。でも、ときおりこちらの寺みたいに、庭園を散策するだけで八十八ヶ所まわったことになるミニ霊場巡りもあります。
境内にある影向(ようごう)の松は、樹齢600年以上とされる松の古木です。写真で空を覆っている枝は、すべて一本の松の木から生えているという、すばらしいものです。東京都と国の天然記念物に指定されています。
松の木の下に、影向の石というものがあります。その昔、寺に忍び込んだ泥棒が、この石に足をかけたとたんに動けなくなりました。そこへ不動明王が現れて、泥棒に宝剣をつきつけて盗みなど働いてはならんと恐い顔でさとしました。泥棒が泣いてお詫びすると、お不動様は姿を消し、石に張り付いた足も離れたと伝えられています。
このお寺には言い伝えが沢山あって「伝説のマーケット」と呼ばれているほどだと『江戸川区史』にも書いてあります。どんな伝説があるかは、昔書いた記事がありますので、よろしければ下記をご覧ください。