二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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東小松川・寿光院

 東小松川・寿光院は、南葛「南回り」の八十五番札所です。境内に「南葛新四国八十八」などと刻まれた石碑があります。


【札所番号】
南回り:第八十五番

【札所名】寿光院(浄土宗)

【所在地】

旧番地等 江戸川区小松川2-4380
現在の地名 江戸川区

#旧番地は『江戸・東京札所事典』による
# 旧番地等は昭和51年版の『江戸川区史』に載っている所在地です。江戸川区内は川や道路の工事で大々的に丁目や番地のふりかたが変わるなどしており、昔の資料にあたる時に必要になるかもしれないので書いてみることにしました。

【御詠歌(南回り85)】

【南回り次の札所】
第八十六番、東小松川・正徳寺


当ブログは二系統の南葛八十八ヶ所めぐりに注目して札所となっているお寺や神社を参拝しています。

「南回り」「いろは大師」という呼称については目次のページをご覧ください。


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小松川・寿光院の入り口

 東小松川・寿光院は、南葛八十八ヶ所「南回り」の第八十五番札所です。しかし近くまで来てビックリ。桃色のお洒落な洋館があって、本堂がどこだかわからなーい! 壁に「寿光院」の表札がなかったら絶対近づけなかったと思います。

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寿光院、入り口より中を望む

 一瞬、どうしようと思ったのですが「寿光院」って書いてあるし、墓地もここからじゃないと入れないみたいだから…と意を決して入ってみました。そうしたらまあ、中はもーっとファンタジーだったのです。ジブリのアニメにでも迷い込んだ気分です。結局本堂らしいところはどこだかわかりませんでした(爆死)

 この建物は普段は幼稚園のお教室なんですかね。この日は夏休みなのか人がいなかったんですけど。

 とりあえず、墓地を拝見することにしました。墓地内にお堂がある場合もありますから。墓地の入り口は、写真の左端に見える小屋手前にありました。

 これで墓地が横浜の外国人墓地みたいだったら出来過ぎた話なんですが、お墓は日本のお墓でした。入り口からきょろきょろっと見回して「やはり何もないか」と諦めて帰ろうとした時、墓地の入り口に石碑を発見。

「あっ、弘法大師、南葛新四国って書いてある!」

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南葛南回り第八十八番の石碑

南葛新四国八十八
梵字弘法大師
第八十五番寿光院

 写真じゃ見づらいでしょうが、表面には上のように刻まれていました。裏面にも文字があるようでしたが、壁に近すぎて回り込めず読めませんでした。これで「東京弘山講」と刻まれていたら完璧なのですが、残念ながら確認できませんでした。

 それでもこれは、南回りの石碑で間違いないと思います。本堂はどこだかわからないので、墓地に向かってお邪魔しましたーと小声で言ってから帰りましたよ。

 帰宅後に寿光院のサイトを見たら、このファンタジーな建物が礼拝施設というか本堂で、二階に阿弥陀如来の像があるんだそうです。えええ、幼稚園じゃないんだーとまたビックリ。そうと知っていればお参りした……かっていうと、やっぱり恐くて入れなかったかもしれないです(笑)
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弘法大師 空海 密教