二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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鹿骨・円勝院(圓勝院)

 鹿骨・円勝院(圓勝院)は南葛「南回り」の第四十五番札所とされています。


【札所番号】
南回り:第四十五番

【札所名】円勝院(真言宗豊山派

【所在地】

旧番地等 江戸川区鹿骨1-259
現在の地名 江戸川区鹿骨1-25-23

#旧番地は『江戸・東京札所事典』と昭和51年版の『江戸川区史』による。

【御詠歌(南回り45)】

【南回り次の札所】
第四十六番、新堀・勝曼寺

当ブログは二系統の南葛八十八ヶ所めぐりに注目して札所となっているお寺や神社を参拝しています。

「南回り」「いろは大師」という呼称については目次のページをご覧ください。



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円勝院本堂
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陀羅尼車。車輪に刻まれているのは般若心経。これを回すとお経を一回唱えたのと同じことになるそうな。
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地蔵堂
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水掛け不動。台座のご詠歌は「ちよろずの悪魔降伏なしたもう威徳は高し南無不動尊
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境内入り口より。写真には写っていませんが、左手前に庚申塔がありました。
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あ、猫!と思ってなんとなくシャッターを切ったらちょっとだけ庚申塔が写ってました。

 鹿骨・円勝院(圓勝院)は、南葛八十八ヶ所「南回り」の第四十五番札所とされていますが、南回り固有のご詠歌の扁額や、石碑、大師像などはみつかりませんでした。

 当寺は『江戸川区史』によれば元禄二年まで別の場所にあったそうですが、火事で消失し、その後この場所に移転したとのことです。明治7年に観音寺・乗勝寺・薬王寺の三寺を合併したとあります。「南回り」の開創は明治43年なので、移転や合併の影響は受けていないと思われます。

 なお、地名の鹿骨の読みは「ししぼね」です。伝説によれば奈良の春日大社が創建された時に、常陸国鹿島神宮から神様が分霊されて1年かけて運ばれたそうなんですが、その時に神の使いである鹿たちも大勢ついて行きました。この地にさしかかった時、一部の鹿が力尽きて死んでしまったので、この地に手厚く葬りました。鹿骨という地名はその伝説に由来していると言われています。

弘法大師 空海 密教