二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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東小岩万福寺(萬福寺)

【札所番号】
南回り:第三十五番

【札所名】万福寺(真言宗豊山派

【所在地】

現在の地名 江戸川区東小岩2-2-4

【御詠歌(南回り35)】

【南回り次の札所】
三十六番・東小岩東養寺

 2021年も明けて20日ほどたちました。東京は新型コロナの陽性者が連日1000人を超える勢いで、緊急事態宣言も出ましたがなかなか収まりませんね。昨年の宣言のときも今より厳しい自粛要請だったのに効果が出るまで時間がかかりましたから、落ちつくのにまだしばらくかかるかもしれません。

 お寺めぐりは基本屋外ですし、よほどの観光地でないかぎり密になったりは決してないのですが、現地まで行くのにバスに乗ることも多いです。そうなると、やはり自粛すべきなんだろうなと思います。良く晴れたきもちのいい日などは、出かけたくて仕方がないんですけどねー。

 それでも宣言前に参拝した札所の写真がいくつかあるので更新していきたいと思います。すでにいろは大師の札所はめぐりきりましたので、これからの更新は基本みんな「南回り」の札所です。ついでがあって出かけた時などの撮影するので番号順ではなく、きまぐれに、ランダムに更新していきます。(いろは大師、南回り、という呼び分けについては目次のページをご覧ください)。

 ただ、この先はおそらく読んで面白い感じにはならないんです。それというのもほとんどのお寺が「ここは南回りの○番札所」とわかっているだけで、なんの痕跡もなさそうなんですよね。

 南葛八十八ヶ所の南回りは固有の大師像や大師堂の造立をおこなわないスタイルだったようです。明治45年に札所番号と御詠歌を刻んだ木の板(扁額)を各札所にかかげているようなんですが、なんせ木の板ですし、途中に戦争もありました。もう残っていない場合が多いんです。

 今回ご紹介する東小岩・万福寺もそうです。下町タイムス社の『江戸・東京札所事典』で南葛八十八ヶ所南回りの三十五番をこのお寺だとしていて、順路的にも矛盾がないので間違いないとは思うのですが、残念ながら札所の痕跡は残っていないようです。

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東小岩万福寺、門前より
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万福寺の由緒を説明した看板(江戸川区教育委員会
弘法大師 空海 密教