二系統の南葛八十八ヶ所霊場

旧南葛飾郡に開かれた二系統の南葛八十八ヶ所を実際に回っています。

見分け方早分かり
いろは大師(北回り)|大心講|大正14年|一番は奥戸・善紹寺
南回り|弘山講|明治43年ごろ|一番は東小松川・善照寺
「名称について」も読む

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三十八丁堂

【札所番号】
いろは大師:第五番(板野郡大字矢武・地蔵寺の写)

【札所名】三十八丁堂

【所在地】

旧地名 江戸川区上小岩三十八丁堤
現在の地名 江戸川区西小岩4-10-20

【御詠歌(いろは大師)】
ろくどうの のうけのぢぞう だいぼさつ みちびきたまへ このよのちのよ

【いろは大師、次への順路】
十九番の前西へ二丁七分
 
 

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三十八丁堂
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南葛いろは大師第五番大師像
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堂内に飾られている大心講の旗のようなもの

 ひとつ前の十念寺から徒歩で15〜20分くらい。線路を越えたりするので道に迷いやすく、かなり歩いたような気分になります。三十八丁堂はお堂の中に石の大師像が一体、第五番の台座に載せられています。

 堂内に大心講の旗のようなものが飾られています。大心講は南葛いろは大師をお世話していた講の名前です。昭和の中ごろまでは活動があったみたいですが、今はどうしていらっしゃるのか、ちょっとわかりません。

 このあたりは今では川から離れているのですが、昔は小岩用水のほとりだったようです。お堂の名前や旧地名の「三十八丁堤」は用水の土手が三十八丁続いていたということでしょう。

 ところで、三十八丁というのは何メートルなんでしょう。『御詠歌』では次の札所への里程(距離)を丁で書いているのですが、地図で計ってみると、どうも1丁約100メートルくらいで換算しているようです。ネットで検索しても 1丁=60間=109m だと出てきます。38丁なら4142メートルなので、だいたい1里ちょっとでしょうか。

 調べてみると小岩用水は金町の大堰枠(おおぜきわく)から南小岩三丁目くらいまで続いていたそうですから、その距離はざっと5000メートルくらい。1里よりは長いですが、全域に土手があったわけじゃないのかもしれないので、なるほどなっていう感じですね。

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小岩用水跡を示す石碑

 小岩用水の跡は道路になっていて、江戸川区内は西小岩グリーンロード、葛飾区内では鎌倉かなえ通りなどと呼ばれています。
 
 

弘法大師 空海 密教